猫の大好物として有名なまたたび。またたびの匂いを嗅ぐと、いつもは素っ気ない猫がゴロゴロと甘えだす不思議なアイテムです。
なぜ猫はまたたびに反応するのでしょうか?ここでは猫とまたたびについてご紹介しましょう。
猫がまたたびに反応するのはなぜ?その理由は?
そもそも猫はどうしてまたたびに反応するのでしょうか?
またたびの何が猫を虜にするのか、人間にはわからないその理由について見ていきましょう。
またたびの成分は、猫の中枢神経を刺激する
またたびは山地に自生するツル科の植物で、夏に白い花が咲き、その後どんぐりのような実がなります。
この実を乾燥させ粉末にしたのがまたたび粉として販売されています。
またたびに含まれる、アクチニジン、マタタビラクトンといった成分が猫のヤコブソン器官を刺激し、中枢神経や大脳を麻痺させ眠気を起こし、反射神経を鈍らせることで猫を興奮状態にします。
実はまたたびは人間にも利尿作用や血行促進などの効果が期待されるとして、古くから漢方薬として使用されているのです。
猫がリラックスできたり、猫に性的な興奮が生じる
中枢神経を麻痺させることで性的興奮を覚えることもあるようです。喉を鳴らし、目を細めて気持ちよさそうな様子がみられます。
また、よだれを促進させるβ-フェニルエチンアルコールという成分が性的興奮を生じる原因ともいわれています。
猫の年齢や飼育状況により、反応しない猫もいる
一般的にメスよりオスの方が反応があるといわれています。
フェロモンと同じような働きをするため、去勢手術を行っているオス猫や、成熟期に達していない子猫、シニアの猫には反応しないこともあります。
人間でもお酒に強い人、弱い人があるように猫にもまたたびに反応するしないがあるんですね。
猫にまたたびを与えたらどうなる?危険な場合も?
実際に猫にまたたびを与えると、どのような反応を示すのでしょうか?
与え過ぎると狂暴になるという説もありますが、本当なのでしょうか?またたびを与えられた猫の反応についてご紹介します。
床や地面を転げ回ったり、身体をこすり付ける
猫によって、またたびへの反応は違いますが、最も多い反応が床や地面を転げまわり、身体をこすりつけるという反応です。
買ってきたおもちゃで全然遊ばない、という場合におもちゃにまたたびを少量振りかけると、急に興奮して遊びだすということもあるようです。
喉を鳴らして甘えたり、逆に攻撃的になったりする
またたびを猫に与えると陶酔状態になり、人間に例えるとお酒を飲んで酔っ払った状態です。
人間でも酔っ払って泣く人、笑う人、暴れる人がいるように、猫によってもその反応は違います。
喉を鳴らしてすり寄って甘える猫もいれば、爪をたててひっかき回り、飼い主に噛みついてしまう猫もいます。
猫にまたたびを与えるときは、その猫がどのような反応をするか少量ずつ与えて様子をみるのが良いでしょう。
猫によっては、痙攣や呼吸困難を引き起こすことがある
先ほどもお伝えしたように、人間でもお酒を飲んで急性アルコール中毒になるようなこともあります。
猫によっては、痙攣や呼吸困難といった命を危険に及ぶような反応をすることもあります。特にまたたびの成分であるマタタビラクトンには、血管拡張作用があり、与え過ぎると呼吸困難の原因になります。
最悪の場合、亡くなってしまうケースもあるようです。またたびを猫にあたえる場合は、目を離さずに様子をうかがってください。
猫にまたたびを与える時の注意点!上手な与え方とは?
またたびを猫に与えると、猫によって反応が違うことがわかりました。では、猫にまたたびを与える正しい与え方や注意点はあるのでしょうか?
またたびと上手に付き合う方法を調べてみましたので、ご紹介します。
またたびを与える時には、必ず猫を傍で見守る
またたびを初めて猫に与える場合はもちろん、日頃から与えている場合でも、急に反応が変わることがあります。
興奮して怪我をしたり、呼吸困難や痙攣が起こらないように傍で様子をみてあげましょう。異変があれば、すぐに動物病院で獣医師の診察をうけましょう。
初めて与える場合は、様子を見ながら少量ずつ与える
初めて猫にまたたびを与える場合は、粉末タイプにものを少量嗅がせるところから始めましょう。耳かき半分の量で大人の猫も十分反応します。
またたびには、中枢神経を刺激して麻痺させる効果がありますが、人間の覚せい剤のような常習性や持続力、副作用はありませんので使用量を間違えなければ悪いものではありません。
猫用に加工された、安全なまたたびを使用する
またたびは、粉末、液体、実、枝、葉の順で作用が強いです。
ペットショップで販売されているような、粉末タイプやスプレータイプは加工されているので、刺激は抑えられています。
しかし、ネット通販や自然界に生育しているまたたびは加工されていないので、猫への刺激が強すぎる恐れがあります。
大切な猫のためにも、加工されたまたたびを与えてあげましょう。
まとめ
またたびには猫にとって良い効果もあります。
猫が運動不足気味でストレスが溜まっているときに、またたびを少量振りかけたおもちゃを与えると身体を動かせて運動不足解消になったり、爪とぎ板に振りかけて爪とぎのしつけとして、食欲がなく餌を食べないときに少量餌に混ぜると、食欲増進効果で喜んで餌を食べるといった効果もあります。
猫によって違いますが、一般的なまたたびの作用は10~30分ほどとされています。興奮状態は心臓にかなり負担がかかります。
猫の体力やまたたびに飽きないようにするためにも、月に1~3回ほど与えるのが理想です。
適宜、適量を守り、安全が確保できる環境でまたたびを与えましょう。正しい使用方法で、猫を喜ばせましょう。