あなたの家の猫が、おもちゃを咥えながら「うーうー」と唸っていたら、やはり気になりますよね。
うちの猫の中にも、おもちゃを咥えて唸る子がいます。
その時は鼻にしわを寄せて怖い顔をしているのですが、普段はとても甘えん坊の人懐こい猫なんです。
大好きな筈の飼い主に対して、うーうーと唸る猫。一体どうしてそのような行動をするのでしょうか?
そこで今回は、猫がおもちゃをくわえて唸る理由と対処法について、お話をしていきます。
飼い猫がおもちゃを咥えて唸る!威嚇している?
飼っている猫がおもちゃを咥えて、うーうーと唸っている時、一体どのような気持ちなのでしょうか?
うちの猫にも唸る子がいますが、この子は小さな頃からおもちゃを咥えると唸っていました。
今では唸る頻度は減りましたが、咥えて来たおもちゃを受け取ろうとして手を出すと「うー」っと唸ります。
では、その時の猫の気持ちについて探っていきましょう。
猫の狩猟本能が刺激され、おもちゃ=獲物と認識
猫は本来、狩りをする動物です。
生まれながらに持っている狩猟本能によって、おもちゃを獲物だと認識していると考えられます。
うちの猫も、小さいネズミのおもちゃが大好きで、それを咥えているときに私が近づくと「うー」っと唸ったりします。
でも遊びが終わり気持ちが落ち着くと、またいつもの穏やかな猫に戻るんです。
威嚇するのは、獲物(おもちゃ)を取られたくない
おもちゃを咥えたまま「うー」っと唸って威嚇するのは、おもちゃを取られたくないからでしょう。
人間から見たらただのおもちゃでも、猫にとっては獲物なのでしょう。
自分が仕留めた獲物を、横取りされるのが嫌で怒っているのかも知れませんね。
獲物を捕獲した猫にとっては、飼い主でも警戒対象に
獲物を捕まえた猫は、それを奪われないように周囲に注意を払います。
例え飼い主であっても、警戒の対象になるのです。
飼い猫がおもちゃを咥えて唸る!対処法とは?
猫がおもちゃを咥えて唸る理由は分かったものの、どう対処すれば良いのでしょうか?
止めさせた方が良いのか、放っておいて良いのか、迷うところです。
手を出すと引っ掛かれる可能性がある
おもちゃを咥えて唸っている最中に手を出すのは、とても危険です。
私は面白がって手を出してしまったため、案の定引っかかれました。それも、思いっきり!
「かなりの興奮状態にあるのだな」と悟り、それ以来は手を出すのを止めました。
唸っているのは、挑発しているとか、構って欲しいとか、そういうサインではなさそうです。
本当に嫌がっているので、そっとしておくと良いでしょう。
気の済むまで遊ばせ、タイミングを見て回収
猫が持っているおもちゃが遊ばせてもOKな物でしたら、どうぞ気の済むまで遊ばせてください。
猫もそのうちおもちゃを放しますので、そのタイミングでおもちゃを回収すると良いでしょう。
もし飼い主の大事な持ち物をおもちゃにされていたら、何か別のおもちゃで気を反らせて回収しましょう。
正面切って取り上げるのは危険です。
噛みちぎるおもちゃは与えない
猫の歯で噛みちぎれるおもちゃは、誤飲してしまう恐れがあります。
そういったおもちゃは与えないように気をつけましょう。
猫が唸るのはどんな時?唸り声の違いと猫の気持ち!
さて次は、猫の唸り声についてご紹介しましょう。猫の唸り声と一口に言っても、いろいろな種類があるんですよ。
それぞれ、込められている気持ちが違います。では、猫の唸り声とその時の気持ちをご紹介していきます。
「フーッ!」「シャーッ!」:緊張、威嚇、防御の唸り声
猫の威嚇と言えば、怖い顔で「フー」とか「シャー」とか言う姿をイメージしますよね。
この威嚇の仕方には、いろいろな意味が込められています。いくつかご紹介しますね。
・縄張りに入るな!
自分のテリトリーに見知らぬ猫が来ると、「シャー」と言って警告します。ただし、あまりにも強い相手(ボス猫など)に対しては、「シャー」は言いません。
・そっとしておいて
寝ている時に触れると、短く「シャー」と言う事があります。これは、触らないで、というサインです。乱暴に触りがちな人間の子供に対して言う事が多いようです。
・痛みに耐えている
痛い思いをした時だけでなく、持続的な痛みに耐えている時にも「シャー」と言い続けることがあります。触られたくないのでしょう。
・驚いた
突然目の前に動くおもちゃを置いたりすると、猫はびっくりして「シャー」と言います。怒りではなく、びっくりして出てしまうようです。
・子猫に近寄るな
子育て中の猫は、普段よりも相手との距離を長くとろうとします。普通、威嚇する距離は2メートル前後なのですが、子育て中はもっと長くなります。
・怖い!
掃除機をかけた時に、「シャー」と言われたことはありませんか?猫は恐怖心からも「シャー」と言います。
威嚇をするということは、相手の存在を怖く思っているということです。砂漠で暮らしていた猫の先祖は、毒蛇が天敵でした。
その毒蛇に対し蛇に似せた音を出すことで、「自分は強いんだぞ!」とアピールしていると考えられています。
「ウーッ!」:特に高めの声で唸る時は、威嚇や極度の警戒
おもちゃを咥えて唸る時って、結構低めの音ですよね。それに対して、高めの音で唸る場合もあるんです。
それは威嚇や極度の警戒を表しています。猫同士のケンカを見た事があるでしょうか?
その時に聞くことが出来ると思うのですが、最初は低い声で唸るんです。
これは「あっちに行け!」と威嚇をしているのですが、相手が立ち去らない場合には高い声で唸り始めます。
これはもう、攻撃を仕掛ける一歩手前!
もしこのような状態になっている猫がいたら、絶対に近づいてはいけません。
とりあえずその場から立ち去ることをおすすめします。
「ウギャアー!」:猫がパニック状態になった時の唸り声
大きな声で、唸るというより叫ぶような声を出したら、猫がパニック状態になっているかも!
猫同士の喧嘩の最中に、こういった声がよく聞かれます。また、激しい痛みを感じた時にも出します。
まとめ
猫が唸る理由と対処法についてお話をしましたが、いかがでしたか?
おもちゃを咥えて唸っていても、飼い主の事が嫌いなわけではないんですね。放っておいて凶暴な猫になったらどうしよう、と考えて無理にしつける必要もないでしょう。
うちの猫が唸っていたら、私はそっとしておきます。猫は単独行動の自由気ままに生きる動物です。
人間に従わせようとする考えは、猫に当てはまらないと思うからです。しばらくするとおもちゃで遊ぶのに飽きて、普段通りの甘えん坊に戻ります。
唸らせておいたからって、猫が調子に乗るとか、狂暴になるとか、そういう事はありません。飼い猫が見せてくれる野生的な姿、素敵だと思います。
ただ、咥えているおもちゃが飼い主の大切なものだったり、誤飲の恐れがある物だったら回収する必要があります。
その時には猫の爪には十分注意し、他の物などで気を反らせてからタイミング良く回収しましょう。