「猫のひっかき病」。猫を飼っている人は耳にしたことがあるかも知れません。これは猫ではなく、人間側に症状が出るものです。
単なる猫のひっかき傷だと軽く見ていると、大変なことになるかも!
リンパ節が腫れて脳炎を引き起こすこともある「ひっかき病」ですので、この機会に知識をつけておきましょう。
それでは、猫のひっかき病についてお話をしていきます。
猫のひっかき病ってどんな病気?どんな症状がでるの?
ペットにおける猫の人気は急上昇!猫を飼っている人が、とても増えてきています。
そんな中、ひっかき病の報告も増えてきました。これは、猫に噛まれたり引っかかれることで感染し、症状が出るものです。
傷が出来てすぐに症状が出る事もありますが、長いと数週間経過して忘れた頃に症状がでてくることもあります。
引っかかれてすぐには、ちょっとした発疹が出る程度。ですがその後に発熱し、リンパ節の腫れが認められるようになります。
これが酷くなると、結膜炎や脳炎に繋がるので注意が必要です。
病原体となっているのは、バルトネラ・ヘンセレという細菌です。これは猫の赤血球に寄生していて、日本で飼われている猫の1割が感染しているというデータがあります。
もしかしたら、あなたの家の猫も感染しているかも知れません!それでは、具体的にどのように感染するのか、またその症状はどんなものかをお話していきます。
猫に引っ掻かれたり、噛まれたりすることで発病する
感染している猫の血をノミが吸い、そのノミが猫の体に菌が入った排泄物を出します。猫が毛づくろいをすると、その菌が歯や爪についてしまうのです。
そしてその歯や爪で、人を噛んだり引っかいたりする際に感染するという仕組みです。
特徴的な症状として、脇の下や足の付け根のリンパ節が腫れる
猫のひっかき病に感染すると、とても特徴のある症状が出ます。それは、脇の下や足の付け根にあるリンパ節が腫れです。
リンパ節と言うのは、リンパ液が流れている管のあちこちにある節です。リンパ液は体の中にある老廃物を流したり、細菌と戦ったりしてくれます。
リンパ節が腫れると、痛みがあります。腫れが酷い場合、卵くらいの大きさに腫れあがることもあります。
そして破裂して膿が出ることもあります。さらに重度の場合は、脳症に進行して痙攣や意識障害が起こる場合もあります。これはリンパ節の腫れから1~3週間後です。
場合によっては、微熱、全身倦怠、関節痛、吐き気などがある
リンパ節の腫れだけでなく、発熱が見られることもあります。また、全身に倦怠感があったり、関節が痛んだり、吐き気があったりもします。
このような症状が出て来たら、猫に引っかかれたか?または噛まれたかどうかを思い出してみてください。心当たりがあれば、猫のひっかき病の可能性があります。
猫のひっかき病は自然治癒するの?治療法は?予防対策は?
症状が悪化すると脳炎も引き起こす事がある、怖い猫のひっかき病!もしなってしまった場合、自然治癒はするのでしょうか?
治療するとしたら、その方法はどういったものなのでしょうか?また、予防対策についてもご紹介します。
自然治癒することが多いが、数週間かかる場合もある
猫のひっかき病は、放っておいても治ることが多いです。ですが、治るまでの期間は人それぞれ。
数週間もかかる場合もあるので、その間に症状が悪化する恐れもあるので注意が必要です。
免疫不全の人や、高齢者の場合は注意が必要
自己治癒を期待して放っておいた場合、症状の悪化が心配されます。特に、免疫不全の人や免疫力の弱い高齢者は気をつけなくてはなりません。
麻痺や脊髄障害を引き起こす可能性があるからです。
飼い猫の室内飼いを徹底し、野良猫との接触を避ける
予防するには、飼い猫を完全室内飼いにする必要があります。原因になる菌は、ネコノミから猫に移動します。
外に出ると、他の猫との接触などでネコノミに寄生される確率が高いので、それを防ぐのです。ネコノミに寄生されないことが、最大の予防となるのです。
猫に引っ掻かれた!ひっかき病が心配?その検査方法は?
気をつけていても、ふとした弾みで引っかかれることってありますよね。爪切りをしようとして噛まれたり、遊んでいて引っかかれるなんて事はよくあると思います。
そんな時、ひっかき病の事が気になって仕方ないという人もいるでしょう。その場合は、病院に行けば検査をしてもらえますよ。
病院での診断方法は、血液検査や画像検査などを行う
病院で受ける検査は、血液検査や画像検査です。
- 血液検査・・・白血球の増加や、CRPの上昇が見られると炎症反応があるということ。
- 画像検査・・・CTやMRI、超音波検査などにより、リンパ節が腫れているかどうかを確認する。
このほかに、血清診断というのもあるのですが、これは結果が出るまでに2週間もかかってしまいます。
野良猫にひっ掻かれた場合には、早めに検査を受ける
もし野良猫に引っかかれた場合、なるべく早く検査を受けた方が良いでしょう。
飼い猫と違って、ひっかき病の菌が付着している可能性が高いからです。出来れば野良猫との接触は避けた方が良いでしょう。
患部や周囲の腫れが長引く場合は、自然治癒する可能性は低い
先ほど、自然治癒する事もあると書きましたが、もし患部の腫れが長引いている場合は、自然に治る可能性は低いと思ってください。
病院での治療をおすすめします。
まとめ
猫のひっかき病についてお話をしましたが、いかがでしたか?ちょっと面白い名前ですが、内容を知ると怖くなりますね。
リンパ節の腫れは、結構衝撃的な大きさとなります。自然治癒することもあるようですが、なるべく病院で治療をしてもらうことをおすすめします。