猫を飼っている人の悩みの一つに、トイレ以外でおしっこをする、というものがあります。猫はきれい好きですので、トイレの場所を覚えたらそこ以外でする事は滅多にありません。
でも実際にトイレ以外でおしっこをして、飼い主を困らせている猫もいるのです。そんな時、決して怒らないであげてくださいね。
粗相するには、猫なりの理由があるのです。それを理解することで、解決策が見つかる筈。猫と一緒に暮らすために、対策を考えるのも飼い主の務めなのです。
ここでは、猫の粗相の原因や、その対策をご紹介しましょう。
猫のおしっこには「2種類」ある?
猫のおしっこは、不要な物質や水分が体外に排出されたものです。これは人間と同じですね。
実はもう一つ意味があるんですよ。それはニオイをつけることです。
縄張りを主張するマーキングや、スプレーと呼ばれる行動がこれにあたります。
猫の粗相が治らない!その原因は?
猫が粗相をしてしまって、いくらトイレの場所を教えても治らないとなると、本当に困ってしまいますよね。
特に布団でされてしまった時など、泣きたい気持ちになることと思います。猫のおしっこはとてもニオイが強く、洗っても落ちなかったりしますから。
粗相を治すには、まず原因を知ることが大切!それでは、原因についてお話をしていきましょう。
病気が原因
突然粗相をするようになったら、病気の可能性もあります。
私も、飼い猫の膀胱炎や下部尿路疾患を経験していますが、症状が出ている時にはトイレ以外ですることがありました。
その時は、まとまった量をするのではなく、チョロチョロ漏れてしまうという感じでした。排尿の時に鳴き声をあげているとしたら、痛みがあるということです。すぐに病院を受診してください。
よく猫の行動を観察し、他にも気になる症状がありましたら獣医さんに診てもらいましょう。
トイレが気に入らない
猫によって好みが分かれるのがトイレの形状。屋根がないのが好きな猫もいれば、フードですっぽり覆われているのが好きな猫もいます。
また広さも重要で、狭すぎる場合は入りたがらないかも知れません。
トイレの清潔度も重要ですよ!
ウンチが溜まっていたり、トイレ砂がたくさん濡れていたりなどすると嫌がります。トイレをいつも綺麗にしておくことで解決出来たという話も、よく耳にします。
トイレ砂の感触が嫌いになったという場合もあります。
置く場所に不満があるのかも知れません。他に気に入った場所が出来たのかも知れません。絶対理由があるはずですので、特定出来ない場合はいろいろ試して一つ一つ潰していきましょう。
飼い主との関係に不満がある
猫の精神面からくる粗相もあります。
飼い主と離れることに不安を覚える猫もいて、これを分離不安症と呼びます。分離不安症の猫は70%の確率で粗相をしてしまうという調査結果もあります。
その殆どが、ベッドや布団など飼い主のニオイがする場所とのこと。猫が留守番中に粗相をした場合は、分離不安症の可能性があります。
生活環境の変化
引っ越しで生活環境がガラリと変わることで、猫に多大なストレスがかかります。
また、赤ちゃんが生まれたりして落ち着かない生活が続いたり、同居人が増えたりすることでもストレスがかかります。
縄張りのためのマーキング行為
飼い猫であっても、自分の縄張りを主張するマーキング行為をすることがあります。
これは新入りの猫が来た時などに見られるのですが、縄張り意識が強い猫だと不妊手術をしていても行うことがあります。
このような、自分のテリトリーを守りたいという気持ちの現れの他に、性本能によるスプレー行為もあります。不妊手術をしていないオスは、メスを探すために自分のニオイをつける場合があるのです。
猫の粗相対策!飼い主ができる対策とは?
猫の粗相には、いろいろが原因があるのですね。原因が分かったら、次は対策を考えましょう。
原因別に、ご紹介していきますね。
猫が粗相をしても叱らない
もし猫が粗相をしてしまっても、決して叱らないでください。猫の立場からすれば、おしっこをしたら飼い主が怒りだした。という感じでしょう。
これでは、「おしっこ=悪い事」と覚えてしまいます。
一度覚えてしまうと、猫は排尿自体にストレスを感じるようになるでしょう。そしてそれは、泌尿器系の病気へ発展する恐れがあるのです。
病気を疑う場合は動物病院へ
トイレでおしっこをした時に痛みが伴う場合、猫は「ここでおしっこをすると痛くなる」と思ってしまうようです。
そして痛くない場所を探そうとして、いろいろな場所でおしっこをするとも考えられます。おしっこする時に鳴き声がある場合や、うっすらピンクっぽい(血尿)場合には動物病院で診てもらいましょう。
もし、おしっこをする体制になっているのに少ししか出ていない場合や出ない場合は、なるべく早く受診してくださいね。
猫のストレスの原因を取り除いてあげる
原因のところで書いたような、様々なストレスによる粗相でしたら、その原因を取り除くことで解決します。
人間の赤ちゃんが生まれた場合などは、猫だけで静かに過ごせる部屋を設けるなど、工夫が必要でしょう。
布団への粗相対策
布団に粗相をしてしまった場合はとても厄介で、洗ってもニオイが残ってしまいます。
念入りに洗ってニオイがなくなったと思っても、人間の鼻では分からないだけ。猫の嗅覚で感じることが出来れば、また布団でおしっこをする恐れが。
思いきって布団を買い直したら解決したケースもあります。一番確実なのは、寝室に猫を入れない事です。
ソファへの粗相対策
ソファを洗うのは難しいですよね。素材を考えてみましょう。革張りのようなツルツルした素材なら、おしっこをされた時に吹き取りやすいです。
粗相対策グッズ
猫用のしつけスプレーも市販されています。これは、猫が嫌がるニオイを吹き付けて、その場所に近寄らせないというもの。
その場所が特別気に入って粗相をしているのでしたら効果はありそうです。でも、トイレ自体が気に入らない場合には、他の場所を探すでしょう。
まとめ
猫の粗相には、いくつもの原因があるのですね。病気やストレス、トイレが気に入らないといった理由は、聞いてみれば「なるほど」と思うものばかり。
決して、だらしなくてアチコチにおしっこをしているわけではないのです。原因が突き止められれば、後はそれに合わせて対策を考えます。
猫も人間も快適に過ごせるように、叱らずに根気強く試行錯誤を繰り返していきましょう。